絵本の読み聞かせをしてみよう!よみっこ ブログ




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ガール・イン・レッド(絵本)
アーロン フリッシュ,ロベルト インノチェンティ
西村書店
(2013-02-09)

 絵本の帯には、
「現代版赤ずきんワンダーランド」
 と、書かれているようです。(ネット上の写真で見ました)

 すでに何十年も前から、都会は「コンクリートジャングル」などと呼ばれているのですから、ビルが林立する街並みが、現代の赤ずきんちゃんが住む、現代の森になっても、おかしくはありません。

 ですから素直に現代版「赤ずきん」を楽しんでもいいのだと思います。

 けれども、どうしても気になることがあるのです……

 お婆さんです。
 人形のように見える小さなお婆さんです。

 絵本の中で、このお婆さんは、テーブルの上に置かれた小さなイスに座って編み物をしています。
 そしてこのお婆さんが、テーブルの周りに座っている12人の子どもたちに、編み物をしながら現代版「赤ずきん」を語り聞かせているのです。
 私たちは、この物語を、絵本として楽しむことになります。

 もしかしたら……このお婆さん……
 この絵本の中では一度も描かれていない、赤ずきんちゃんの「おばあさん」だったりするのかもしれません……

 でも、他のことも考えられます。

 オープニングでお婆さんは、物語を始める前に、子どもたちに言います。

「お話っていうのは空みたいなものなんだ。ころころ変わって、聞く人をおどろかせて、好きなようにしてしまう。
 びっくりするもんかと思って聞いていても、お話の先がどうなるのかはわからない。」

 じつは、このページにだけ絵が描かれていません。
 真っ赤な地の中に白抜きの文字が書かれているだけです。

 ですからこの言葉は、お婆さんの言葉ではないのかもしれません。
 また、12人の子どもたちに対してではなく、私たちに向けられた言葉なのかもしれません……

 お婆さんと子どもたちは、このオープニングと、ラストシーンの見開きの左側にしか登場しません。

 そこで今度は、ラストシーンのお婆さんたちの絵を見てみると……

 お婆さんが編んでいるマフラーのようなものの長さは、オープニングでは足の少し先くらいまでしかなかったのですが、ラストシーンでは、どこまで長くなっているのか分からないくらいにまで長くなっています。

 そしてこの見開きの右側には、お婆さんが語っている話のラストシーンが描かれています。

 そこには「Happy End」などと書かれたボードを、わざとらしく手に持った保安官も描かれています。

 この見開きを見ていると、私には聞こえてくるのです……

「物語にはね、終わりはないんだよ……この編み物と同じさ。
 私が止めなければ、どこまでだって長くなるんだ」

 これは……
 お婆さんの声でしょうか? 作者の声でしょうか?

 すると妄想が膨らんで、さらに同じ声が聞こえてくるのです。

「お話(物語)は、人を変えることだってあるんだ。
 このお話が終わったら、窓を開けて家の外を見てごらん。
 何もかもが変わっているかもしれないよ。
 でもそれは、窓の外の風景が変わったんじゃない。
 あなた自身が変わったんだ。
 それでもお話は終わりじゃない。まだまだ続いていくのさ。
 結末なんて、誰も分かりはしないよ。
 これから先のお話を作っていくのは、あなた自身なんだから」



| comments(0) | trackbacks(0) | 14:13 | chaury |

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