![]() 2013.05.28 Tuesday
きゅっきゅっきゅっ(絵本)
登場するのは、1人の赤ちゃんと、ぬいぐるみだと思われる、うさぎさんと、ねずみさんと、くまさん。 映画「家族ゲーム」のように、みんなが横一列になり、読者に顔を向けてスープをいただきます。 しかし映画とは違い、深刻な問題が隠されているような緊張感はまったくなく、たいへん穏やかな雰囲気です。 赤ちゃんと、ぬいぐるみだと思われる動物たちが、あまりにも可愛らしいからでしょう。 けれども…… よく考えてみると、ぬいぐるみがスープを飲んでいます。 そしてぬいぐるみが、スープをこぼすと、赤ちゃんが、タオルのようなもので「きゅっきゅっきゅっ」とふいてあげるのです。 その姿は、とても自然です。 絵本を眺めていると、この部分はメルヘンなのにもかかわらず、よくある日常のことのように思えてしまいます。 赤ちゃんのリアルな動きがそう思わせるのかもしれません。 ここでふと思いました…… ぬいぐるみは、ちっちゃな子どもと遊んでいる時は、ほんとうに生きているのだろうなと…… 少なくとも、ちっちゃな子どもは、そう感じているのだろうなと…… そうすると林明子さんは、メルヘンの世界を描いたのではなく、登場する赤ちゃんと同じ目線で、赤ちゃんの日常を描いたのかもしれませんね。
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