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マッチ箱日記(絵本)
ポール フライシュマン
BL出版
(2013-08)

 ひさしくマッチ箱なんて見ていない。
 マッチがほとんど使われなくなったのだから当然だ。

 マッチもマッチ箱も、
 それ自体が過去への郷愁を引き起こすアイテムになっている。
 それぞれの人の、それぞれのマッチに関する思い出……

 こんなことも、マッチ箱日記なのかもしれない。

 また……

 以前は、かなり多くの人がやっていたのではないかと思うのだけれど、
 喫茶店などのマッチ箱を、部屋の中にズラリと並べていたことがある。

 意識はしていなかったけれど、
 それらのマッチ箱を見た時に、
 その時々に何があったのかを思い出すことがあった。
 楽しかったことも辛かったことも含めて……

 こんなことも、マッチ箱日記なのかもしれない。

 けれども、この「マッチ箱日記」は違う。

 マッチ箱の中に、思い出を象徴する小さなモノを入れておくという日記。

 マッチ箱の中箱は、記憶の引き出し。
 中箱に入っているモノは、思い出のタネ。

 中箱を引き出し、思い出のタネを見れば……

 一瞬で過去が鮮やかによみがえるという日記。

 そんな日記を綴ったのは、
 幼いころに家族とともにイタリアから米国に渡ってきた少年。

 少年の家は貧しく、文字を書くこともできなかったころ。

 さて、どんな物語がよみがえったのか……

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:02 | chaury |

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