絵本の読み聞かせをしてみよう!よみっこ ブログ




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おんちょろきょう
 「おんちょろきょう」は、「ねずみきょう」という題名でも知られている昔話です。

 そして、「きょう」というのは「経」であって「お経」のことです。

 「お経」とは、大辞泉によると「仏や聖者の言行や教えを文章にまとめたもの」と書かれています。

 ……なんで仏様に「お経」をあげるのだろうか?

 ご先祖様(仏様)に仏の教えを説いてもしかたがないじゃないか!



 登場する「おばあさん」は、先立たれた「おじいいさん」にあげるためのお経を一つも知りませんでした。
 「おばあさん」は、「おじいいさん」のことを、一日たりとも忘れたことがないにもかかわらずです。

 けれどもある日、「おばあさん」は、道に迷って困っていた、お寺の「おこぞうさん」を家に泊めてあげたお礼に、お経を教えてもらうのです。

 それが、「おんちょろきょう」でした。

 けれども「おこぞうさん」は、お経なんて知らなかったのです。
 ですから「おんちょろきょう」は、いいかげんな、でまかせの、インチキお経でした。

 でもでも「おばあさん」は、「おんちょろきょう」によって、窮地から無事に救い出されることになります。



 きっと、仏様になった「おじいいさん」が、「おばあさん」のことを助けてくれたのに違いありません。

 愛の力!!!

 百八つの煩悩にまみれた人間の直列的な考え!



 そこで、「お経をあげる」ということです。
 
 「お経をあげる」とは、仏の教えを読み上げるという修行によって、功徳を積むことだそうです。
 そしてその功徳を、ご先祖様に捧げるこで供養につながります。


 けれどもです……


 「おじいいさん」のことを想いながら、いっしょうけんめいにお経を唱えている「おばあさん」を見ていると……

 イカサマ「おんちょろきょう」が、ラブレターではないかと思えてくるのです。

 描かれてはいませんが、「おばあさん」の周りには、いくつものハートマークが揺らいでいるように感じます。


 ですから「お経をあげる」ことは、ただ単に「愛すること」でもいいのではないでしょうか。

 とはいっても……

 「愛すること」も、「修行」であって「功徳」を積んでいることになるのかもしれませんけどね……

| comments(0) | trackbacks(0) | 19:19 | chaury |

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赤いおおかみ
フリードリッヒ・カール ヴェヒター
古今社
(2001-12)

 なんて、静かなのだろうと思うのです。
 そして、涙が止まらなくなるのです。

 この静けさは、不思議です。

 絵本の中には、オオカミに育てられた赤い犬の激動の生涯が描かれています。
 波乱に満ちた生涯は、ドラマチックです。
 けれども感動するのは、そのドラマに対してだけではありません。

 涙が出てくるのは、「赤いおおかみ」という絵本の持つ静けさが、体の中に入り込んで余分な力を抜いてくれるからです。
 そして、体と共に気持ちの芯までリラックスして、呆けたようになって涙が止まらなくなるのです。

 本文は、最初から最後まで赤い犬の過去形の言葉で、淡々と綴られていきます。
 いつもなら、物語の中の出来事に一喜一憂するのでしょうが、「赤いおおかみ」では、語られた出来事を一つ一つ受け入れていくだけの状態になります。

 それは、とても心地のよいことです。
 太陽の光を十分に浴びて、ふかふかになった洗濯物を、一枚一枚ていねいにたたんで、体の中にしまい込んでいくようなイメージもあります。

 けれども実生活ならば、すべてのことを淡々と受け入れていくことなど出来ないでしょう。
 少なくとも、私にはできません。泣いたり怒ったり悲しんだりして、叫んだりあがいたりするはずです。

 そんな私が、静けさを感じながら「赤いおおかみ」を読み進んで、エンディング部分にさしかかった時です。
 私は、死を目前にした時の気持ちを疑似体験させられているのではないかと感じてきました。

 おそらくそれは、作者のF.K.ヴェヒターさんが理想とする、死を迎える時の気持ちのあり方ではないでしょうか。
 そしてそれが、「赤いおおかみ」に対して感じていた「静けさ」ではないかと思うのです。

 今の未熟な私には、そのような静けさを自ら持つことはできません。
 けれども私は、「赤いおおかみ」が持つ静けさに触れたことによって、とてもピュアな活力をもらったような気がしています。

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:51 | chaury |

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わすれられないおくりもの
 静かな静かな土地で、静かに静かにアナグマが亡くなる話です。

 追悼本のような感じがします。
 作者のスーザン・バーレイさんが、身近で大切な人を失った時に描いた絵本なのかもしれません。

 アナグマが、自分の人生最後の夜に、たくさんの友だちに宛てた一通の手紙はシンプルです。

 「長いトンネルの むこうに行くよ さようなら アナグマより」

 これだけです。
 死ぬことに対して、あがくようなところがひとつも見えません。

 アナグマが、シンプルな手紙だけを残して、最後の夜を静かに過ごすことができたのは、周りの友だちに「わすれられないおくりもの」を残せるような生活をしてきたからなのでしょう。

 読みながら涙が流れるかもしれませんが、どうにもならない悲しさではありません。
 なぜならば、安らぎを感じることができるからです。

 きっとこれも、アナグマが私たちに与えてくれた「おくりもの」です。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:31 | chaury |

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とってください
 カメさんは、動きが遅いのです。
 空を飛ぶことができません。
 ジャンプすることもできません。
 木に登ることだってできません。

 だから、「りんご」を採ることができません。
 「さくらんぼ」を採ることもできません。
 「みかん」だって採れません。

 でも、カメさんには、甲羅があります……

 ……じゃなくて、話すことができます!


 「とってください」


 「とってください」という言葉は、道具になります。
 もしかしたら、ハシゴやハサミやナイフと同じなのかもしれません。

 けれども「とってください」という言葉には……

 地面をゆっくりと歩くことしかできないカメさんの気持ちが、あふれるように詰め込まれています。

 だから、カメさんに「とってください」と頼まれれば、喜んで応えたくなるのです。

 そしてカメさんは、わきあがった感謝を込めて……

 「ありがとう」

 どちらも、とってもすてきな言葉です。

| comments(0) | trackbacks(0) | 21:19 | chaury |

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ぷちぷち
 世の中は、音に満ちている。

 人は音を使って、音楽を作り、言葉を生み出してきた。

 そんな音に私たちは、慰められ、癒され、励まされ、ときには苛立ち、反抗したりもする。

 音に、意味や気持ちが込められるようになったからだろう。

 でもそんな音じゃなくて、ただの音だって心をゆさぶる時がある。


 「ぷちぷち」といえば……

 ぷちぷち……プチプチ……ぷちっ、プチッ……

 やめられない、とまらない。

 エアパッキンを押しつぶす快感!


 いやいや、この絵本の「ぷちぷち」は、ちょいと違う。

 風の音、海の音、鳥のさえずり、犬の遠吠え、ネコの鳴き声……

 耳をすませば、まだまだ聞こえてくるはずだ。

 たとえ都会に住んでいたとしても……

 そこかしこに、もっともっと小さな、かすかな、とってもすてきな、さまざまな音たちがあふれていたんだ。

| comments(0) | trackbacks(0) | 21:03 | chaury |

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ひろかわさえこ氏の講演会案内
 知人より、以下の内容でイベントの案内が届きましたのでお知らせします。

…………………………………………………………………

『ぷくちゃんと赤ちゃん絵本〜絵本で遊ぼう〜』

 講師:ひろかわ さえこ 氏 (絵本作家)

 絵本に寄せる思いや絵本の大切さ、選び方などのお話のほか、歌遊び、手遊びをご指導していただきます。

…………………………………………………………………

1 日 時:2009年2月26日(木) 午前10時〜正午

2 場 所:中野区役所9階 第11会議室

3 定 員:30人(先着順ですので申込をお願いします)

…………………………………………………………………

●お申し込み:メールフォーム

…………………………………………………………………

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:39 | chaury |

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春になって出会うのは!?
 昨日(11日)、昨年12月に引き続き世田谷区の図書館でスペシャルおはなし会。

 節分を終えた今、暦の上では春。
 よみっこ仲間のhayuさんとともに、「春になって出会うのは!?」というタイトルで、1時間30分のおはなし会。

 対象は、小学2〜3年生とおかあさん達。
 50人くらいだったかな。

 バレンタインデーの話に子ども達は乗ってこない。
 親がいっしょだからなのか!?
 それでも「パイルドライバー」は、反応がいい。

 メニューは、以下の通り。

かえるをのんだととさん (絵本)☆
パパのひみつ (自作朗読)
パイルドライバー  (絵本)☆
三つのお願い (絵本)
みっつのねがいごと (絵本)
かっぱのすもう (紙芝居)☆
Papa! パパーッ! (絵本)☆
ぼくネコになる (絵本)
てんぐわらい (語り)☆

 ☆ chaury担当

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:51 | chaury |

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児童館の冬祭りでおはなし会
 7日の土曜日。月に1回おはなし会をやっている児童館の冬祭りで、おはなし会をやる。

 児童館でのイベントだけれど、小学校に上がる前くらいまでの子ども達が、主な対象だった。

 メンバーは、にゃーごの会の仲間1人と私の2人。

 きっちりと体裁を整えた会ではない。
 イスのないフリースペースで、子どもとお母さん達と膝を突き合わせてのおはなし会。

 出入り自由で、雑談しながら、まったりと……と思いきや……

 入れ替わりながら、常時10人前後から20人前後くらいいたかな。
 私の膝の上も、子ども達が入れ替わり立ち替わり。

「きんぎょが にげた」は、あれだけ、みんなに知られているとは。
 文章を読む前に、子ども達みんなに指をさされてしまった。

 以下は、30分くらいのおはなし会2回で、私が読んだ絵本。

○ がたん ごとん がたん ごとん
○ ぷちぷち
○ ぴょーん
○ しゃっくりがいこつ

○ Papa! パパーッ!
○ ウシバス
○ きんぎょが にげた
○ ころころころ

| comments(0) | trackbacks(0) | 16:10 | chaury |

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がたん ごとん がたん ごとん
 登場する列車は、煙をはいていないけれど、電気機関車ではなくて蒸気機関車だ。
 黒い車体だし、なんていっても煙突があるのだから。

 汽車は走る。

 「がたん ごとん がたん ごとん」

 その汽車を、茶色の台の上で待ち受けているのは……

 ……哺乳瓶だ。

 「のせてくださーい」

 哺乳瓶が、汽車に声をかける。
 だから茶色の台は、プラットホームなんだ。

 タクシーじゃないけれども、声をかける哺乳瓶の気持ちがいとおしい。

 なぜいとおしくなるのか!?
 それよりも、なぜ哺乳瓶が声をかけられるのか?

 哺乳瓶には、ちゃんと顔があるからだ。
 道具としての哺乳瓶だって、顔を持って言葉を話して生きる時があるんだ。

 ふと見ると、汽車にもちゃんと顔がある。

 そうだったんだ……!!!

 「がたん ごとん がたん ごとん」は、機関車の車輪が、レールの継ぎ目を通過する時に出る音じゃないんだ。

 汽車くんが、哺乳瓶に、そして絵本を眺めている私たちに発している何らかのメッセージだったんだ!

 汽車くんは、何を話しているのか?

 そんなことを考えると、またまた楽しくなりそうだ。

| comments(1) | trackbacks(0) | 22:57 | chaury |

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ばけものでら
 旅をしている「ぼうさま」が、古寺に出没する化け物たちを成仏させてあげる物語です。

 「ぼうさま」が、たまらなくいいです。
 偉い坊さまなのかどうかなんてことは、見た目ではわかりません。
 けれども、浅黒い肌とギョロリとした大きな目に無頼のにおいがただよいます。
 長旅で風雨にさらされたためか、ペラペラで破れているような僧衣も、その雰囲気を盛り上げています。
 坊さまは、ただものではないという予感!

 化け物の正体は、使われなくなって捨てられた「道具」たちの化身でした。

 坊さまは、その化け物たちを、さっさと退治をするわけではありません。
 争わないのです。
 偉そうに説経をするわけでもありません。

 坊さまは、化け物たちと付き合うのです。
 坊さまが、どのように化け物たちと接したのかというと……絵本を見て確かめてください。

 坊さまは、自然体で化け物たちと同じ場所にいることができます。
 無理することもなく、受け入れることができるということなのでしょうね。
 無頼の坊さまには、度量があります!
 きっと化け物たちは、そんな坊さまを信頼したのです。

 ですから化け物たちは、坊さまに……

 「おまえたちも ゆっくり やすめ」

 ……と言われると、何も言わずに「ひゅーんと きえた」のでしょう。
 このシーンが、いいです!
 坊さまの優しさが、セリフだけでなく見開きの画面全体から、じわっとにじみ出てくるようです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 22:06 | chaury |

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