1.
わ(こどものとも0.1.2. 2010年9月号) ☆
2.わらべ歌遊び
3.
へんなかお ☆
4.
ソメコとオニ(朗読)
5.金色とさかのおんどり・ロシア民話(語り)
6.
どうして? ☆
<☆chaury担当>
9月22日……
私が参加している児童文学の会「メルヘン21」のメンバーのつながりで、岩手県大槌町のこどもセンターでおはなし会をしてきました。
おはなし会では、あえて震災には一切触れずに、とにかく子どもたちと一生懸命に遊んで楽しい時間を過ごすことだけを考えました。
読み手は私を含めた三人で、約1時間のおはなし会。
私は、進行役を務めながら三冊の絵本で「よみっこ」をしたのですが、いずれも子どもたちには、声を出すことなどで参加してもらいました。
このような形をとったのは、
多くのボランティアの来場に飽きているかもしれませんし、なによりも子どもたちに、ボランティアの押し付けという捉え方をされることだけは避けなければならないと思ったからです。
また、初対面ということで身構えている部分もあるはずです。
さらに、「よみっこ」の聞く楽しみだけでなく、声を出すことや自分の声を聞いてもらうことの楽しさを少しでも感じてもらえたらと考えました。
案の定、おはなし会の初めのころは、緊張感が漂っていましたが、
じょじょにほぐれて「へんなかお」のあたりから遊びを楽しむ状態になり、どうなるかと思っていた「どうして?」では、みんなが面白がって声を出してくれました。
(主人公の女の子が何度も発する台詞「どうして?」のすべてを、みんなに言ってもらいました)
結果……楽しかったです!
ところで街の様子ですが……
今年の5月に大槌町役場から「災害廃棄物等の搬出完了」の報告が出ており、瓦礫が散乱していたり積み上げられていたりという風景はなくなっていました。
現在は、
そこかしこで何台もの重機が動き回り、整地を進めている段階です。
ただし多くの仮設住宅が残っており、必要がなくなる様子もありません。
再開している商店などもプレハブの建物がほとんどです。
地元の人の話を聞くと……
復興を実感している人は一人もいませんでした。
このような状態の中で、地元の人たちが危惧しているのは、
時間の経過や東京オリンピック開催などの話題によって、震災に対する興味が薄れていくことです。
深い「絆」が、まだまだ必要なのに、
名ばかりのお題目になってしまってはいけません。
気になったことが、復興予算の使い方に対する不満です。
人によっては……
せっかくの復興予算なのに、
生活者の立場に立った使われ方がされていない。
消化することを優先させているのではないか。
……というような意見も聞かれました。
ただ一つ救いだったのは……
子どもたちのことです。
おはなし会前日の21日は、お祭りだったのですが、
多くの子どもが、お祭りに参加をしていたのです。
笛や太鼓を打ち鳴らし、唄い踊っている姿に感動してしまいました。
お神楽や踊りなどのすばらしさは、もちろんのことですが、
その姿の中に、地元への愛情を感じたからかもしれません。
こどもセンターの館長さんにうかがうと、
在住の子どもたちは、
ほぼ全員がお祭りに演者として参加しているとのこと。
被災地が、
将来も子どもたちに愛され続ける場所になることが、
復興のポイントの一つになるのではないでしょうか。